簿記3級に合格して数字に強くなる!初めての会計資格の攻略法
簿記3級は会計系資格の
最初の入り口に相当するもので
合格すれば履歴書にも書けます。
会社で経理の仕事を志望するなら
まず常識とされているレベルです。
最低限の資格とされているところもあるでしょう。
初めて関心を持った方のために
ガイダンスを書いてみます。
これを読めば目指すべきかどうか
もし目指すなら何から始めればよいかわかりますよ。
資格を知ろう!簿記3級とはどんな試験か?
試験の概要 ~日商簿記3級~
2021年度から大きく変更がありました。
団体試験も追加されます。
出題数は大問で3題に。
問題用紙・答案用紙・計算用紙が
1冊になっていて、丸ごと回収されます。
【ペーパー試験の場合】
受験資格:特になし
受験料 :2,850円+事務手数料550円(いずれも税込)
申込方法:インターネット申込のみ(東京の場合 ※場所により異なる)
申込先 :日本商工会議所サイトから該当の会議所を検索のこと
申込締切:商工会議所サイト参照(概ね試験日の2カ月前)
試験日 :毎年6月、11月、翌2月
試験時間:60分
試験科目:商業簿記
使用道具:鉛筆・シャープペン(HB・B)、電卓(機種に制限あり)又はそろばん
合格点 :70%以上
合格率 :48.4%(2021年2月を除く直近7回平均)
簿記3級の合格率には大きな変化が!
気になる合格率ですが
2021年2月分(第157回)では67.2%に!
それ以外では高くても50%台の半ばでした。
受験者が毎回10万人前後いたのですが
コロナ禍の影響で
7万人台に減少しているのが原因でしょう。
きちんと学習できた人ばかり
受験しているということだと思います。
合格者は変わらず
3~4万人の範囲に収まっていますから。
簿記3級はインターネットで受験できるが・・
主催の商工会議所によれば
この3級と2級は
「ネット試験が可能に」って書いてある!
よく見たら、いわゆるCBT試験ってやつです。
漢検などで知られていますね。
「テストセンター」で受験します
やっぱり会場には出かける必要があります。ご注意を!
※なんかイメージと違うと思うのですが。私だけ?
そのため一度に受験できる人数には限りがあります。
希望日があるようでしたら
締め切られる前に早めに申込みしておきましょう。
⇒ 株式会社CBT-Solutionsの日商簿記2級・3級申込専用ページ
基本的にいつでも申込・受験ができるようですが
次の特定期間だけは受験できません。(申込は可能)
※年度ごとに発表されると思われますので
ご自分でも確認して下さいね。
・2021年6月7日(月)~ 6月16日(水)
・2021年11月15日(月)~ 11月24日(水)
・2022年2月21日(月)~ 3月 2日(水)
ちなみに緊急事態宣言の発令を受けて
2020年6月の試験(第155回)は中止されています。
今後もそうした展開はあるかもしれません。
その点でインターネット試験はよい選択肢になるのかな。
合格するとどうなる?簿記3級の学びで得られるもの
試験科目は商業簿記となっています。
小規模の株式会社で、商品売買業がモデルです。
つまり、簿記の基礎知識が問われる試験ですね。
・仕訳(取引を簿記のデータ構造で表現すること)
・帳簿組織(記録の付け方を理解していること)
・一巡の流れ・決算(1年間の会計の流れを理解し、表現できること)
こうしたものは簿記の本質そのものなので
そうそう変わりません。
出題形式は変化しても問われることは同じです。
「傾向と対策」のようなテクニックは不要で
正確な知識、正確な集計ができるように
練習しておくだけのことです。
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商工会議所のサイトには
特典として「大学の推薦入学に有利です」
と書いてありました。
大学進学なら普通に勉強して
偏差値を上げた方がいいと思いますけどね。
推薦入試だから高校側の問題なのかな?
その意味では通常の学業以上に
頑張ったイメージにはなりますね。
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私は簿記の一巡の流れを理解することで
会社の数字の全体像、すなわち
決算書に示されている
「数字の意味」
をつかむキッカケになると思っています。
決算書の分析する以前に
数字がどうやって作られているか
理解していた方が意味がよく分かりますから。
これが会社員の教養として
会計資格「簿記」が推奨されている
理由だと思います。
会社によっては
少額の資格手当が出るかもしれません。
そんなごほうびよりも
「決算書に抵抗がなくなる!」
こちらのメリットが大きいと思います。
簿記3級合格へ向けてどう勉強するか?
では具体的にどうしたら合格できるか
考えていきましょう。
簿記の経験者と未経験者では
当然アプローチは異なります。
簿記の経験者の3級合格作戦
高校で商業科に在籍された方は
イメージがわくと思います。
簿記の全体像がわかっていれば
独学で十分に足ります。
さっそく本屋さんで購入しましょう。
おすすめは専門学校で定評のあるところ。
>> スッキリわかる 日商簿記3級 第12版 [テキスト&問題集]
>> スッキリうかる 日商簿記3級 本試験予想問題集 2021年度
※出版元のTACは実績あるスクールとして有名
合格を求めて生徒が集まるので
とにかくわかりやすく作っています。
通学授業でも同じ教材を
使っている場合もあるほど。
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説明の良し悪しというか相性があるので
参考書だけは
本屋さんで実物を見て決めましょう。
多少は問題も付属していますが
過去問用の問題集も
別途購入することをおすすめします。
仕訳を問うような問題には正確な知識が必要です。
でも少しぐらい解けなくても合否に影響しません。
ですが最後の大問は集計要素が入りますので
個々の正確な知識+集計能力が問われます。
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ここでは配点が大きいので
集計能力も磨かなくてはなりません。
合格したいのなら本番と同じように
時間をはかって
繰り返し解くことをおすすめします。
大幅に時間が余るようになれば
実力はいよいよホンモノです。
次の2級を目指してもよいかもしれませんね。
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逆にもし集計能力がついても
点数が上がらないなら
一番の基礎となる仕訳の理解が
不足しています。
苦手を作らないように
各トピックを復習しましょう。
仕訳が間違っていたら
集計結果である試算表も
正解できるわけがないのです。
簿記の未経験者の3級合格作戦
全くの初学者の場合には
100時間の学習を想定することが多いようです。
この中には問題練習を含めます。
平日は2時間、土日は6時間を使うなら、
1カ月ちょっとで到達する量です。
専門学校では2~3カ月を
想定しているケースが多いようです。
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簿記の3級合格だけが目標なら
独学でもスクールでも通信講座でもいいのです。
ただその先も可能性があるのでしたら
最初こそ「筋のいい先生」に学ぶことを
おすすめします。
独学だとどうしても
理解が偏ることがあるからです。
考え方の理解は非常に重要です。
私は2級は独学でしたが
3級は通学で1カ月間学びました。
3級での質の良い学びがなかったら
とうてい2級は無理だったろうと思います。
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試験対策としてテクニックは
参考書には載っていません。
計算用紙をどう使うとか
問題用紙へのメモ書きの仕方とか。
用紙の使い方なんて
人それぞれだと思いますが
生で質問できるのであれば
合格までの時間を大幅に短縮させてくれます。
この辺の集計テクニックは必須です。
使い方一つで
断然スピードアップしますから。
独学の場合の目安
本番の試験は1時間ですから
解く⇒採点・解説で2時間としても
10回で20時間。
じっくり解き直しして
3時間だとしても30時間。
試験直前に集中して練習するのが
これだとしたら
残りの70~80時間は
参考書でのインプットが中心です。
もちろん知識定着のために
参考書に付属する問題は
完全に解けるようにしておきます。
「TACのスッキリシリーズ」
>> スッキリわかる 日商簿記3級 第12版 [テキスト&問題集]
>> スッキリうかる 日商簿記3級 本試験予想問題集 2021年度
情報量を抑えて負担を減らす編集方針なのかな。
問題集の解説までしっかり読みこめば
十分すぎるほどカバーしますのでご心配なく。
合格者の声は「わかりやすい」が圧倒的でした。
スクール受講の場合の目安
あまりペース配分を考える必要はありません。
初学者でも無理のない設定が
行われていますから
カリキュラムに従えば十分です。
講座の相場は3~4万程度でしょうか。
昔からTACと並んで定評のある
スクールを挙げておきます。
資料請求しておけば
関連情報満載のパンフがもらえますよ。
どこのスクールにせよ攻略のポイントは
とにかく毎回の授業の内容を
「しっかり解けるようにする」
だけなんですけどね。
ただし苦手な分野があるなら
克服するための時間をとる必要はあります。
本番直前には模擬試験も実施されるはずですが
1発で合格を目指すなら
過去問を本番形式で解きまくるのがいいです。
最初は制限時間以内に30点程度しか取れなくても
解き直しして100点に達するようになれば
驚くほど力が付きます。
通信教材の場合の目安
通学と同じでペース配分を考えずに
カリキュラムにしたがってマスターしましょう。
通信教材のデメリットは
モチベーションのコントロールが
難しいことです。
自室でリラックスして・・は
良くも悪くも働きます。
十分な余裕を持つことも大事ですが
余裕がありすぎては意欲を失います。
上位資格である2級も視野に入れ
同時に受験するつもりで学ぶのも一法です。
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通学型スクールでも開講していますが
小刻みな時間を有効に使うなら
スマホをフル活用できるサービスもあります。
簿記3級だと全48回(11.5時間)というカリキュラム。
全部で435問の演習も含みます。
全くの未経験者はこれで内容をつかんで
独学スタイル(参考書+問題集)に移行するのも手ですね。
目指すべきより上位の会計系の資格とは
3級はズバリ表現すれば入門編に過ぎません。
その上の2級がひとまず本命と考えて下さい。
日商簿記2級が次のステージ
2級には工業簿記・原価計算が含まれます。
売上に対応する原価を厳密に考えるクセは
一般の会社員であっても
持っておいた方がいいと思います。
商業簿記では
仕入金額+関連する費用(倉庫代・移動代・保険料・・等々)
だけで済みますが
原価計算を含む工業簿記では
製品1個あたりの原価を算定したり
製造プロセスを考えたり
さらにリアルな企業活動を学ぶことができます。
売上の背景にあるものを理解するには
ピッタリなのです。
「安く買って高く売る」という”商売の鉄則”からすると
その製品が安く製造できたかどうかは
会社の命運を左右するものなのです。
>> 簿記2級に合格して未来を選ぼう!会計系の仕事で活躍するための攻略法

その先は専門家への道が待っている
2級から先は専門家へに向かう道と考えて下さい。
ちなみに1級合格は税理士の受験資格の1つです。
単純に仕訳ができ、計算問題ができるだけでなく
「会計学」の知識まで求められます。
専門家でもなければそうした知識は
あまり使う場面はありませんので
会社の経理・財務の責任者を目指すだけなら
2級で必要十分でないかと思います。
夢に向かって頑張りましょうね!